「内側に力を入れろ」は本当に正しい?兵庫ブレイバーズ・米山航平選手が感じた“外側に立つ感覚”

トレーニング・ブログ

「立つときは、足の内側に力を入れた方がいいのでしょうか?」

スポーツをしていると、

「内側を使え」

「膝を開くな」

「内側に力を集めろ」

と言われることがあります。

もちろん、

それが合っている選手もいます。

しかし私は、

すべての選手が同じ場所に力を入れれば

いいわけではない

と考えています。

先日、

兵庫ブレイバーズで

体の軸運動強化トレーニングを

行っていたときのことです。

チームの4番打者・米山航平選手が、

軸を整えたあとに私へ質問してきました。

「自分は今、軸が整って、とても良い感覚で立てています。

でも、内側に力を入れるようにとよく言われるんですが、

自分は外側に立っている感覚があります。

これはいいんでしょうか?」

私はすぐに、

「問題ありません」

と答えました。

私が見ていたのは

「内側か外側か」ではなく、

「どこに力が入っているか」

でもありません。

私が見ていたのは、

「軸が整った状態で、

体が安定して立てているかどうか」

です。

選手を見るとき、

「内側に力が入っているから正しい」

「外側に力が入っているから間違っている」

とは私は考えません。

なぜなら、

人によって骨格が違うからです。

骨盤の形も違います。

股関節のつき方も違います。

脚の形も違います。

当然、

軸が整ったときに、

本人が感じる力の場所も違います。

米山航平選手の場合は、

軸が整った状態で

しっかり立てていました。

膝が外へ開いているわけでもありません。

体が外側へ崩れているわけでもありません。

その状態で本人が、

「外側に力が入っている感覚がある」

と言っている。

それなら、

それがその選手にとって

自然な状態なのです。

「内側に力を入れる」が目的になってはいけない

よく、

「内側に力を入れれば安定する」

と言われます。

もちろん、それも一つの方法だと思います。

しかし私は、

「内側に力を入れること自体を

目的にしてしまうと、

かえって自然な動きを崩すことがある」

と考えています。

本来確認しなければならないのは、

内側か外側かではありません。

まず、

「体の軸が整っているか」

その結果として、

どこに力が入り、

どのような感覚で立っているのか。

この順番が大切です。

軸とは、体を動かすときの基準

私が選手を見るときに重要視しているのが、

「体の軸」です。

軸とは、

自分の体を動かすための基準。

軸が整っていれば、

自分の体が今どの位置にあるのかが

分かりやすくなります。

立つ。

構える。

踏み込む。

回る。

打つ。

投げる。

こうした動作を行うときにも、

体の中に基準があることで、

動きを作りやすくなります。

逆に軸が整っていない状態で、

「もっと内側」

「もっと外側」

「もっと膝を締める」

と部分だけを修正しても、

体全体のバランスが

崩れてしまうことがあります。

つまり、

正しい形を無理に作るのではなく、

まず自分の体が

自然に動ける基準を作ることが大切

なのです。

選手自身の感覚も大切にする

今回、私が特に良いと思ったのは、

米山航平選手が、

「今、とても良い感覚で立てています」

と自分で分かっていたことです。

これは非常に大切です。

軸が整ったときに、

「今までと違う」

「今日はここに立てている」

「この感覚なら動けそう」

と選手自身が感じられる。

この感覚が分かれば、

調子が崩れたときにも、

自分で元の状態へ戻すためのヒントになります。

だから私は、

単純にフォームだけを見るのではなく、

そのフォームを作っている体そのもの

を見るようにしています。

あなたにとっての「正しい立ち方」は何でしょうか?

もしあなたも、

– 「内側を使え」と言われても、

しっくりこない

– 指導された形を作ると、逆に動きにくい

– 日によって構えの感覚が違う

– 良いときの立ち方を再現できない

– 自分の正しい感覚が分からない

そんな状態なら、

一度、

「どこに力を入れるか」ではなく、

「自分の軸は整っているか」

を確認してみてください。

人によって骨格は違います。

体の使い方も違います。

なので、

全員が同じ場所に力を入れる必要はありません。

大切なのは、

軸が整った結果として、

自分の体がどこで安定するのかを

知ることです。

フォームを安定させるために必要なのは、

誰かの正しい形に

自分を当てはめることだけではありません。

そのフォームを毎回作るための、

「自分の体の基準」

が必要です。

その基準の一つが、

体の軸です。

内側か、外側かではない。

軸が整った結果、

自分の体がどこで安定するのか。

だからこそ私は、

「一般論に体を合わせるのではなく、

自分の体に合った軸を見つけることが大切」

と考えています。

佐野 雅俊(トレーニングスタジオはるかぜ代表)

社会人を経てプロ競技者と活動。競技レベル向上を目的に複数のトレーナーやコーチから指導を受ける中で、成績のムラや極端な好不調の波に悩み、スランプを経験する。動きを根本から見直すため独学で解剖学を学び、身体のバランスと動作メカニズムを徹底的に研究。調子や感覚に左右されず、自分で身体をコントロールするための体の軸運動方法にたどり着く。競技経験と検証を通して得た知見をもとに、「持てる力を最大限に発揮できるボディコントロール」を佐野美由紀と共に体系化。現在は、競技スポーツに本気で取り組むアスリートを対象に、成績の波や動きの再現性に悩む選手のサポートを行っている。
指導歴25年で体の軸運動指導人数のべ30,000人以上。JBDFプロダンスインストラクター。医療・介護現場での身体機能サポート実績もあり脳梗塞後遺症のリハビリ担当している。学生時代:陸上競技(3000m・3000m障害)

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