肩を痛めて投げられなかった投手。軸を意識して変わった『体の感覚』

トレーニング・ブログ

兵庫ブレイバーズの岡本健投手は、

肩を痛め、一時は約2か月間、

思うように投げられない状態が

続いていました。

投げたいのに、投げられない。

肩に違和感や痛みがあれば、どうしても

「肩の使い方が悪いのか」

「投げ方に問題があるのか」

と、肩そのものや

フォームに意識が向きやすくなります。

しかし私は、こういうときほど、

肩だけではなく、

体全体がどのようにつながって

動いているのかを見ること

が大切だと考えています。

6月から始めた「体の軸」への取り組み

岡本投手は6月から、

体の軸を意識するトレーニングに

取り組み始めました。

私が見ていたのは、

「肩をどう動かすか」

だけではありません。

投球するとき、

脚、体幹、肩、腕が

バラバラに動いていないか。

自分の体の中心を基準にして、

全身をつなげて使えているか。

そういった部分を確認していきました。

トレーニングを続ける中で、

岡本投手から聞く体の感覚も、

少しずつ変わっていきました。

そして7月。

岡本投手は先発し、

8回無失点で今季初勝利を挙げました。

もちろん、この結果を

軸トレーニングだけによるものだと

考えているわけではありません。

本人の日々の練習やコンディショニング、

さまざまな取り組みがあっての結果です。

ただ、私が非常に興味深かったのは、

岡本投手自身が感じていた

「体の変化」

でした。

「痛かった時のことが嘘みたいに思う」

岡本投手は、軸を意識して

体を動かすようになってから、

「体の感覚がどんどん変わって、痛かった時のことが嘘みたいに思う」

と話していました。

さらに、

「ハムストリングや肩、腕など、自分の体を存分に使える」

という感覚も話してくれました。

私は、この言葉が

とても印象に残っています。

なぜなら、

「肩が動くようになった」

という話ではないからです。

ハムストリング、肩、腕。

つまり、

体のさまざまな部分を

自分のものとして使えている感覚

が出てきたということです。

「肩を使う」だけでは十分ではない

投手にはよく、

「下半身を使え」

「体幹を使え」

「肩甲骨を使え」

「腕を振れ」

という言葉が使われます。

もちろん、どれも大切です。

でも私は、

一つひとつの部分を

単独で使おうとするだけでは、

十分ではない

と考えています。

人間の体は、

脚だけ、

体幹だけ、

肩だけ、

腕だけで動いているわけではありません。

すべてがつながって、一つの動きを作っています。

だからこそ、

それぞれの部分を使う前に、

「何を基準にして体全体を動かすのか」

が重要になります。

その基準の一つが「体の軸」

私が選手を見るときに

重要視しているのが、

体の軸です。

軸とは、

体を動かすときの一つの基準です。

自分の中心が分かることで、

「今、自分の体がどこにあるのか」

「どこから動き始めるのか」

を感じやすくなります。

その基準があることで、

脚、体幹、肩、腕を

バラバラに動かすのではなく、

一つの体としてつなげて

使いやすくなります。

逆に、体を動かす基準が曖昧であれば、

肩や腕など、

一部分に頼った動きに

なってしまうことがあります。

フォームだけを見るのではない

選手を見ていると、

フォームを何度も修正しているのに、

なかなか動きが安定しないことがあります。

そんなとき私は、

フォームだけを見るのではなく、

その選手の

– 軸

– 重心

– 体のつながり

– どこを基準に動いているのか

を確認します。

なぜなら、

フォームは結果だからです。

そのフォームを作っているのは、

選手自身の体です。

体の使い方が変われば、

同じ投球フォームでも感じ方は変わります。

岡本投手が話していた、

「自分の体を存分に使える」

という感覚も、

私はここにつながっていると考えています。

あなたは、自分の体を本当に使えているでしょうか?

もしあなたも、

– 投げていると肩や腕ばかり疲れる

– 「下半身を使え」と言われても感覚が分からない

– 日によってフォームが変わる

– 力を入れているのに思ったような球がいかない

– 何度フォームを修正しても元に戻ってしまう

そんな状態なら、

フォームだけではなく、

一度、

「自分は何を基準にして体を動かしているのか?」

を確認してみてください。

自分では体全体を使っているつもりでも、

実際には一部分だけが頑張っていることがあります。

フォームを安定させるために必要なのは、

フォームを覚えることだけではありません。

そのフォームを毎回作るための、

「体の基準」

が必要です。

その基準の一つが、

「体の軸」です。

岡本投手が感じた、

「ハムストリングや肩、腕など、自分の体を存分に使える」

という感覚。

私は、ここに大きな意味があると考えています。

一部分を無理に使うのではなく、

自分の体全部を使って動く。

だからこそ私は、

「フォームを変える前に、そのフォームを作っている体の基準を作ることが大切」

と考えています。

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佐野 雅俊(トレーニングスタジオはるかぜ代表)

社会人を経てプロ競技者と活動。競技レベル向上を目的に複数のトレーナーやコーチから指導を受ける中で、成績のムラや極端な好不調の波に悩み、スランプを経験する。動きを根本から見直すため独学で解剖学を学び、身体のバランスと動作メカニズムを徹底的に研究。調子や感覚に左右されず、自分で身体をコントロールするための体の軸運動方法にたどり着く。競技経験と検証を通して得た知見をもとに、「持てる力を最大限に発揮できるボディコントロール」を佐野美由紀と共に体系化。現在は、競技スポーツに本気で取り組むアスリートを対象に、成績の波や動きの再現性に悩む選手のサポートを行っている。
指導歴25年で体の軸運動指導人数のべ30,000人以上。JBDFプロダンスインストラクター。医療・介護現場での身体機能サポート実績もあり脳梗塞後遺症のリハビリ担当している。学生時代:陸上競技(3000m・3000m障害)

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