兵庫ブレイバーズで
軸トレーニングの講習をしていた時のことです。
ある投手が投球練習をしているのを見て、
監督がこんなことをおっしゃいました。
「なんで20球投げる中で、こんなにもスピードが速かったり遅かったり、バラつきがあるんや?」
確かにそうなんです。
同じ投手が、
同じ日に、
同じように投げている。
それなのに、
速い球がいったと思ったら、 次は遅くなる。
コントロールも同じです。
いいところに決まったと思ったら、
次は大きく外れる。
監督が求めていたのは、
「再現性」
でした。
毎回、同じように投げられること。
野球では当然、 大事なことだと思います。
でも、
この話を聞きながら、
私は考えていました。
なぜ、
同じ人が投げているのに、
これだけバラつくんだろう?
本人は、
「今の1球は速く投げよう」
「次は遅く投げよう」
と思って投げているわけではありません。
おそらく本人は、
毎回同じように
投げているつもりです。
それなのに結果が違う。
ということは、
本人が気づかないところで、
毎回何かが違っている。
私はそこが大事だと思っています。
例えば、
体の傾きが少し違う。
重心の位置が少し違う。
回転する位置が少し違う。
顔の位置が少し違う。
一つ一つは、
ほんの少しの違いかもしれません。
でも、
その小さなズレが重なって、 最後にボールを離す時には大きな違いになる。
だから、
同じストレートを投げているのに、
スピードが変わる。
コントロールも変わる。
私はそう考えています。
では、
どうすればこのバラつきを減らせるのか?
そこで必要になるのが、
体を動かす時の「基準」
です。
私は、 その基準の一つが
「軸」
だと考えています。
軸が分かっていれば、
「いつもより少し右にズレている」
「今日は少し前にいっている」
という自分のズレに気づくことができます。
ズレが分かれば、
元に戻すことができます。
でも、
自分の中に基準がなければ、
何が違うのかも分からない。
当然、
どこに戻せばいいのかも分かりません。
ここが、
私が考える
「再現性」の大事なところです。
再現性を上げるというと、
同じフォームを何度も繰り返して、 体に覚えさせる。
そんなイメージがあるかもしれません。
もちろん、
それも必要だと思います。
でも私は、その前に
「何を基準にして、その動きを繰り返すのか?」
が必要だと思っています。
軸という基準がある。
↓
自分のズレが分かる。
↓
自分で元に戻せる。
↓
同じ動きを繰り返せる。
その結果として、
再現性が上がっていく。
私はそう考えています。
いい球を投げられる能力はある。
でも、
20球投げた時に、
その20球がバラついてしまう。
そんな選手に必要なのは、
新しいフォームを探すことだけではなく、
今の自分の動きに
「基準」を作ること。
その基準の一つが、
私は「軸」だと思っています。
最高の1球を作り上げるだけではなく、
その1球を、何度でも出せる体を作る。
これが、
再現性を上げるということではないでしょうか。
ホームページはこちら
佐野 雅俊(トレーニングスタジオはるかぜ代表)
社会人を経てプロ競技者と活動。競技レベル向上を目的に複数のトレーナーやコーチから指導を受ける中で、成績のムラや極端な好不調の波に悩み、スランプを経験する。動きを根本から見直すため独学で解剖学を学び、身体のバランスと動作メカニズムを徹底的に研究。調子や感覚に左右されず、自分で身体をコントロールするための体の軸運動方法にたどり着く。競技経験と検証を通して得た知見をもとに、「持てる力を最大限に発揮できるボディコントロール」を佐野美由紀と共に体系化。現在は、競技スポーツに本気で取り組むアスリートを対象に、成績の波や動きの再現性に悩む選手のサポートを行っている。
指導歴25年で体の軸運動指導人数のべ30,000人以上。JBDFプロダンスインストラクター。医療・介護現場での身体機能サポート実績もあり脳梗塞後遺症のリハビリ担当している。学生時代:陸上競技(3000m・3000m障害)

